簡単な結論

ぷよぷよeスポーツ (以下 ES) で、ぷよを置く操作に何フレームかかるのかを実機で計測しました。1F = 1/60秒です。

昔から言われていたキャンセルは、効かなかった

  • ぷよが出てから次のぷよが出るまでは、「着地まで」+「着地から固定まで 20F」+「固定から次のぷよまで 8F」でした
  • 設置キャンセル (縦・横・回転・横移動・段差) を Web に書かれたやり方で試しても、後ろの2つ (合わせて 28F) は1Fも縮まりませんでした。接地の前後の操作を試した調査で、決めた場所に置けた1,274回すべてで、着地から固定までは 20F 以上、固定から次までは 8F ちょうどでした

効いたのは2つ

  • ① 床でずらす置き方: 空中で横に1列動かすたびに、着地が2F遅れます。そこで空中では回転だけにして3列目に着地させ、着地の1F後から床の上で2Fおきに横へずらすと、どの列にも 52F (子が下は 50F) で置けます。空中で動かさずに済んだ1列につき2F速くなり、6列目の縦置きでは 58F → 52F と6F (1割ほど) 速くなります
  • ② 段差キャンセル: 1段高い列の上で「着地の2F前に回す → 着地した瞬間に戻す → その2F後に横」と入れると、となりの1段低い列へ、直接置くより4F速く置けます。縦と子が下で、3列目から外へ落とす時だけ効きます。2段以上の段差や横置きでは効きません

操作の手順と、どれだけ速くなるかは、図つきで後半の「確認したフレームが短くなる操作について」にまとめています。

計り方

  • 自作の自動操作ツール (SandClad) が仮想コントローラーで入力し、ゲームから盤面とフレーム数を読み取りました。人の手のばらつきは入っていません
  • 1回ごとにやり直し、空の盤面の1手目で試しました。段差は、1手目で段差を作って2手目で試しています
  • 同じ条件を4回ずつ試しました (段差キャンセルの調査は2回ずつ)。計測は約2,700回、相手はいちばん弱い CPU です
  • フレーム数は、操作ごとに決まった値になります。2手目で試した段差の調査は、何回やっても同じ値でした。空の盤面の1手目だけは、同じ操作でも1F長い回が混じったので (対局が始まった直後の数え始めの都合と見ています)、この記事ではいちばん短い回の値を、その操作のフレーム数として載せています
  • 計測期間は 2026年10月15日〜19日です
  • 同じ調べ方を ぷよぷよテトリス・ぷよぷよテトリス2 でも行っていますが、この記事では ES に絞っています

一般的な操作

ふだんの置き方は次のとおりです。この記事では、これを「今の操作」と呼びます。

  • ぷよが出たら、回転と横移動を同時に入れて、置く向きと列に合わせる
  • 途中の列に引っかからなくなった所から、下を押しっぱなしにする
  • 空中で目的の列・向きに合わせたまま、まっすぐ落とす

入力の決まりは次のとおりでした。

操作決まり
横移動横の入力は2Fに1回 (押す1F・離す1F)。1F後に押した2つ目は効かない。横の押しっぱなしでも速さは同じ
回転回転と横は、同じフレームにまとめて入れられる
連打の間隔3F・4Fおきに遅らせても、今の操作と同じフレーム

ぷよが出てくるのは左から3列目です。今の操作では、3列目は横移動なし、2・4列目は1回、1・5列目は2回、6列目は3回、空中で横に動かすことになります。


それにかかるフレーム

今の操作で、空の盤面に置いた時のフレーム数です (ぷよが出てから次のぷよが出るまで)。

置き場所空中で横に動かす回数フレーム
3列目 縦0回52
2列目 縦1回54
4列目 縦1回54
1列目 縦2回56
5列目 縦2回56
6列目 縦3回58
3列目 子が下0回50
6列目 子が下3回56
1-2列目 横 (軸が1列目)2回56
4-5列目 横 (軸が4列目)1回54

縦・横は 52F、子が下は 50F に、空中で横に1回動かすごとに 2F ずつ足した値になっています。

フレームの内訳

図1 1手のフレームの内訳

1手は3つに分かれます。青の「着地まで」は置き方で変わりますが、灰色の2つはどの置き方でも同じでした。 6列目に縦で置く時、今の操作は着地までが 24F → 30F と6F長くなりますが、床でずらすと3列目に置く時と同じ 24F になります。

区間フレーム
ぷよが出てから着地まで22〜30F (置き場所で変わる。3列目に縦なら 24F)
着地から固定まで20F
固定から次のぷよが出るまで8F

子が下が縦より2F速いのは、軸ぷよが1段低い所で着地するためです。


webを調べた限りのキャンセル操作とフレーム

置いたあとの「ぷよん」という動きを省いて次へ早く進む設置キャンセルが、いくつか紹介されています。

名前Web での説明縮むとされるフレーム
設置キャンセル (総称)ぷよを置く瞬間に操作を加えて、置いたあとの「ぷよん」の動きを省くぷよぷよ通の解説では「ぷよん」は約0.26秒 (約16F)
縦・横・回転キャンセル置く直前の操作で「ぷよん」を省く各1F
横移動キャンセル下を押したまま、置く直前に「回転+横」を入れ (回転を気持ち先に)、床や下のぷよに擦りつけながら隣の列へ動かす。縦置きは2列、横置きは3列が平らであることが条件2F (横移動1回ぶん)
段差キャンセル1段高い列に擦らせてから、低い列へ動かす4F (横移動の2F+段差1段ぶんの2F)
ちぎりキャンセルちぎった時の動きを省くちぎりが絡むとキャンセルは起きないとされる

フレーム数は、ES (ぷよスポ) についての解説の値です。キャンセルのほかに、速く置くための運び方も紹介されています。

  • 下は押しっぱなしが基本
  • 端の列へは、組が出る前から横を押しておくと、出た瞬間に端まで動く (高速横移動)
  • 同じ色の組 (ゾロ) は、子を下にして置くと1段ぶん早く着地する (半回転)
  • ちぎりは時間がかかるので、なるべく減らす

ボタンの同時押しをフレーム単位で調べた資料は見つかりませんでした。

参考にしたページです。


実際にやってみたキャンセル操作とフレーム

結論から書くと、Web に書かれたやり方のキャンセルは、どれも効きませんでした。効いたのは、そこから見つかった別の2つの操作です。

接地の前後に操作を入れて試した

空の盤面の1手目で、接地の前後に入れる操作を1つずつ変えて計測しました。「ぷよん」が省けていれば、着地から固定までが 20F より短くなるはずです。

図2 Web の設置キャンセルを試した結果

どの操作でも、着地から固定までは 20F より短くなりませんでした。接地ちょうどや接地のあとに回すと、かえって延びます。

試したこと (Web での名前)今の操作との差着地から固定まで
接地の5〜3F前に横 (縦・横キャンセル)同じ (0F)20F のまま
接地ちょうどに横同じ (0F)22F
接地の3〜1F前に回転 (回転キャンセル)同じ (0F)20〜22F
接地ちょうど・1F後に回転同じ (0F)。子が下にする時は床で押し上げられて 9F 遅い20〜28F
接地の3〜2F前に回して戻す同じ (0F)20F のまま
接地ちょうど・1F後に回して戻す2〜9F遅い22〜30F
接地の前後に180度回す0〜11F遅い。端の列では壁に押されて隣の列へずれる20〜30F
接地の1F後に横 (横移動キャンセル)2F速い20〜26F (縮まない)
接地の2F後に横横に動かず、置き場所がずれる (102回中0回 置けた)―
段差キャンセル (1段高い列に乗せて、接地の3F前〜1F後に横へずらす)同じ (52 → 52)。下を4F離すと2F遅い落ちて着地し直す
段差キャンセルに回転を足す (回して戻してから横)外へ1段落とす縦・子が下で4F速い―
ゾロの半回転 (子を下にして置く)縦より2F速い (52 → 50)。Web のとおり20F のまま
下を押しっぱなし・横を押しっぱなし・3F/4Fおきの連打・回転を先に入れるどれも同じ (0F)20F のまま
  • 差は、同じ置き場所に今の操作で置いた時との比べです
  • 横の操作の行は、3列目以外に置く時の値です。3列目に置く時は、試すために一度となりの列へ出して戻すので、空中で動かした分 (1回につき2F) だけ遅くなります

効かなかった理由

  • 着地から固定まで (20F) と、固定から次まで (8F) は、どの操作でも縮みませんでした。ES には、「ぷよん」を省いて次へ早く進む仕組みそのものが見当たりませんでした
  • Web で「横移動キャンセル」と呼ばれている形が速かったのは、置いたあとが縮んだからではなく、その1列ぶんを空中で動かさずに済んだからです。着地+1F に床でずらしても、着地から固定までの時間は延びません
  • Web のやり方の段差キャンセルは、低い列へずらすと、ぷよが落ちて着地し直しになり、着地から固定までの 20F を最初から待ち直します。そのため、直接置くのと同じ時間になります
  • ゲームの中身を見たわけではありませんが、横に動いている間は落下が止まる (または遅くなる) 作りだと考えています。計測からの推測です

効いたもの

  • ① 床でずらす置き方: 「着地まで」を縮める置き方です。空中では横に動かさず、着地してから床の上でずらします
  • ② 段差キャンセルに回転を足す: 着地した瞬間に回転を入れると、1段落ちても着地し直しが起きず、直接置くより4F速くなりました

どちらも、次の章で操作と効果を図で説明します。


確認したフレームが短くなる操作について

① 床でずらす置き方 : 決まり

  • 空中で横に1列動かすたびに、着地が2F遅れる。下を押しっぱなしにしても、横を押しっぱなしにしても同じ
  • 着地の1F後に床の上で横にずらしても、時間は増えない
  • 床の上で続けてずらす時は、ちょうど2Fおき (横・何も押さない・横 = 横N横) にする

2回目のずらしを、1回目の何F後に入れたかで、置けた回数です。

2回目を入れる時置けた回数
1F後30 / 90
2F後111 / 111
3F後14 / 144
  • 1F後は、同じ向きなら「押しっぱなし」と同じになり1列しか動きません。右→左のように向きを変えても、2つ目は効きませんでした (置けた30回は、横と回転を続けた形です)
  • 3F後は、ほぼ間に合いません

① 床でずらす置き方 : 操作

図3 いちばん速い置き方 (5列目に縦で置く例)

手順やること
①空中では回転だけにして、置く向きに合わせる (子が下にする時も空中で)
②置く列と同じ高さで続いている列のうち、3列目にいちばん近い列までは空中で動かす。空の盤面なら3列目のまま
③下を押しっぱなしにして着地させる
④着地の1F後に横を押し、続ける時は2Fおき (横N横) で目的の列までずらす

下は、ぷよが出た時から置き終わるまで押しっぱなしにします。向きは、回転をすべて空中で済ませます。

置く向き空中で入れる回転
縦 (子が上)なし
横 (子が右)右回り 1回
横 (子が左)左回り 1回
子が下同じ向きに 2回 (2Fおき)

列は、3列目に着地させてから、着地したフレームを 0F として次のように横を押します (横置きは軸ぷよの列で数えます)。

置く列着地のあとに押す横
1列目+1F に ← 、 +3F に ←
2列目+1F に ←
3列目なし (そのまま置く)
4列目+1F に →
5列目+1F に → 、 +3F に →
6列目+1F に → 、 +3F に → 、 +5F に →

横は「押す1F・離す1F」の連打になります。押しっぱなしにすると1列しか動きません。

手で狙う時の目安です。

  • 最初の横は、早すぎても大きな損はありません。着地ちょうど以前に押すと空中で動かしたのと同じ扱いになり、今の操作と同じフレームで置けます
  • 遅すぎると置き場所がずれます。着地+2F 以降の最初の横は効かず、1列手前 (3列目寄り) に置かれます。狙う時は早めにずれるほうが安全です
  • 2回目からは、前の横からちょうど2F後です。1F後は効かず、3F後はほぼ間に合いません

① 床でずらす置き方 : どれだけ速くなるか

図4 どれだけ速くなるか (縦置き)

今の操作 (オレンジ) は3列目から離れるほど遅くなりますが、床でずらす置き方 (青) はどの列も同じ 52F です。

空の盤面での比べです。

置き場所今の操作床でずらす速くなる
1列目 縦56524F
2列目 縦54522F
3列目 縦5252同じ
4列目 縦54522F
5列目 縦56524F
6列目 縦58526F
6列目 子が下56506F
1-2列目 横 (軸が1列目)56524F
5-6列目 横 (軸が5列目)56524F
  • 速くなるのは、今の操作で空中で横に動かしていた回数 × 2F です。2・4列目で2F、1・5列目で4F、6列目で6F
  • 3列目は、もともと空中で横に動かさないので同じです

段差がある時の床ずらし

盤面置く所今の操作3列目に着地してずらす
3-4列目の上 (高さ1)4列目の上 (同じ高さ)5048
2-3列目の上 (高さ1)4列目の床 (1段落ちる)5252
3列目の上 (高さ2)4列目の床 (2段落ちる)5252
2-3列目の上 (高さ1)3列目の上 (右の低い列へ出て戻る)4851
  • 同じ高さのまま、ぷよの上でずらすと2F速い。置く列と同じ高さで続いている列のうち、3列目にいちばん近い列に着地させて、そこからずらします
  • ふつうにずらすだけだと、低い列へ落ちて着地し直しになるので、今の操作と同じ時間です。1段の段差なら、次の段差キャンセルで4F速くできます
  • 低い列の上を通って戻ると、かえって3F遅くなります。高い列へは、床の上からはずらせません

② 段差キャンセル : 操作

1段の段差を落とす操作を詳しく調べました (2026年10月18日〜19日)。 ふつうに横へずらすだけでは速くなりませんが、着地の瞬間に回転を入れると、1段落ちても着地し直しが起きず、4F速くなりました。

図5 段差キャンセルの操作

例として、3列目の高さが1、4列目が床の盤面で、縦の組を4列目の床に置く時の操作です。

手順やること
①組を、となりの高い列 (3列目) のまま縦で落とす。下は押しっぱなし
②3列目に着地する2F前に、子を置きたい列の側 (4列目の側) へ倒す回転を1回入れる
③着地したフレームに、逆の回転で縦に戻す
④その2F後に、置きたい列の方向 (→) へ横を1回押す
フレーム−2F−1F着地 (0F)+1F+2F
下押す押す押す押す押す
回転右回り―左回り――
→――――押す

これで4列目の床に縦で置かれ、48F でした。直接4列目へ置くと 52F、3列目の上にそのまま置いても 48F なので、1段落とすのに時間がかかっていません。

押すフレームを変えた時の結果です (同じ盤面、各2回で2回とも同じ値)。

回す戻す横フレーム
−2F0F+2F48
−1F0F+2F48
−1F+1F+2F か +3F49
0F+2F+4F50
+1F+3F+5F51
−2F0F+1F52 (効かない)
−3F−1F+1F52 (回転が全部空中だと効かない)
回して戻すを2往復してから横52〜54
(比べる相手) 直接4列目へ置く52
(比べる相手) 回さずに横だけ (接地の3F前〜1F後)52
  • 戻す回転は、着地したフレームちょうどに入れます。1F遅れるごとに1Fずつ遅くなります
  • 横は、着地+2F 以降に押します。戻す回転を着地ちょうどにした時は +2F で、+1F に早めると効きません (52F)
  • 回す向きは、左回り→右回り の順でも同じ48Fでした
  • 子が下も同じ操作で効きます。子を置きたい列の側へ倒して、着地の瞬間に子が下へ戻します

② 段差キャンセル : どれだけ速くなるか

図6 段差キャンセルの効果

効くのは「1段の段差」「縦か子が下」「3列目から遠ざかる向きに落とす」の3つがそろった時だけで、その時はいつでも ちょうど4F速くなりました。

高さ1・2 (着地させる列の高さ。置く列はその1段下)、となり合う列の組すべて、4つの向きで確かめた結果です (直接置く → 段差キャンセル、各2回)。

着地させる列 → 置く列縦 (高さ1)子が下 (高さ1)縦 (高さ2)子が下 (高さ2)
3 → 4 、 3 → 252 → 4850 → 4650 → 4648 → 44
4 → 5 、 2 → 154 → 5052 → 4852 → 4850 → 46
5 → 656 → 5254 → 5054 → 5052 → 48
2 → 3 、 4 → 3 (3列目へ向かう)50 = 5048 = 4848 = 4846 = 46
5 → 4 、 6 → 5 、 1 → 2 (3列目へ向かう)2F 遅い2F 遅い2F 遅い2F 遅い
  • 3列目から遠ざかる向きに落とす時は、すべての組で、ちょうど4F速くなりました
  • 3列目へ向かう向きでは、同じか2F遅くなります。着地させる列が3列目から遠い分、空中で余分に動かすためです
  • 2段・3段の段差では効きません。落とした先が床の20通り (外へ落とす5組 × 縦・子が下 × 2段・3段) で、すべて直接置くのと同じフレームでした (例: 縦 3 → 4 は 52 → 52)
  • 横置きでは一度も速くなりませんでした。子を上へ回して戻す・子を下へ回して戻す × 横を+1F・+2F の4通りとも、3列目から遠ざかる向きは直接置くのと同じ、3列目へ向かう向きは4〜6F遅くなりました
  • 段差が無い所でも得はありません。3・4列目が高さ1でそろった盤面では、直接置いても段差キャンセルの操作をしても 48F でした

まとめると、段差キャンセルを使うのは次の時です。

  • 縦か子が下の組を、となりの列よりちょうど1段低い列に置く時
  • そのとなりの (高い) 列が、置く列より3列目に近い時 (例: 3列目が1段高い所の4列目、4列目が1段高い所の5列目)
  • となりの高い列まで空中で運び、①〜④の操作をすると、直接置くより4F速くなります

なぜ着地し直しが起きないのかは、ゲームの中身を見ていないので分かりません。

注意する点

  • 横の入力は、向きが変わっても2Fあける必要があります。最初のずらしが着地+2F より遅いと効きません
  • 子が下の向きは、空中で回しておきます。床で回すと押し上げられて 60F になり、10F遅くなりました
  • 1つ手前の向きで着地してから回す形は、左横では同じ 52F、右横では 53F で1F遅くなりました
  • 自動操作ツールでは、床でずらす置き方を AI の操作に入れました。対局で137手を置いて、置き間違いは0でした
  • 段差キャンセルも、2026年10月19日に AI に入れました (ちょうど1段の時だけ)。実際の対局で置き間違いが無いかは、これから確かめます