はじめに
第108回全国高校野球選手権大会の代表49校が、 7月28日の宮城大会決勝 (仙台育英 4-1 東北) をもって出そろった。 開幕は8月5日、 組み合わせ抽選は8月1日。
せっかく全代表が決まったので、 49校すべてに点数をつけてみる。 ルールは単純で、 1点から49点までを各1回ずつ、 重複なしで割り振る。 一番期待している学校が49点、 一番厳しいと見ている学校が1点。 合計は必ず 1225点 になる。
点数の根拠は、 地方大会の戦いぶり・投打の数字・過去の実績に、 個人的な思い入れを足したもの。 完全な戦力予想ではないので、 「実家に近いから上げる」 「地元だから上げる」 といった補正が普通に入っている。
なお「最終的に最高得点になるように」 という遊び方も考えたが、 結果が見えない以上どうしようもないので、 ここではルール上の話にとどめておく。
ポイント配分 (49点 → 1点)
49〜45点 : 優勝候補グループ
| 点 | 学校 | 感想 |
|---|---|---|
| 49 | 横浜 (神奈川) | 優勝候補で、 さすがに強すぎる。 織田翔希が157キロのドラフト1位候補、 小林鉄三郎も150キロ、 主将・小野舜友が打率.526と、 穴が見当たらない。 |
| 48 | 沖縄尚学 (沖縄) | 実力は確かにある。 選手層が厚いので連戦にも耐えられるうえに、 そもそもがめちゃくちゃ強く、 夏連覇なら78年ぶり。 |
| 47 | 神村学園 (鹿児島) | 神村学園が出てきてから、 鹿児島実業等の高校は古豪といわれるようになってしまった。 今は鹿児島県随一の強さで、 龍頭汰樹の21回1/3無失点・四死球3個は優勝候補の数字。 |
| 46 | 履正社 (大阪) | 大阪二強の一角で、 さすがに優勝候補。 2年連続で大阪桐蔭にコールド負けしていた雪辱を、 決勝16得点という形で晴らしてきた。 |
| 45 | 健大高崎 (群馬) | 個人的には優勝候補の一角で、 あくまで個人的に応援している。 通算20本超が複数に148キロ・146キロの本格派2枚と、 実際に投打とも隙がない。 |
44〜40点 : ベスト8級
| 点 | 学校 | 感想 |
|---|---|---|
| 44 | 仙台育英 (宮城) | いつも東北高校との2強だが、 今回は仙台育英。 その東北を決勝で4-1と直接対決で答えを出しており、 ベスト8はありそう。 |
| 43 | 花巻東 (岩手) | いつも盛岡大付との2強だが、 今回は花巻東。 古城大翔が通算25本、 赤間史弥が通算31本と、 大谷・菊池の系譜に打者で応えており、 ベスト8くらいはいけそう。 |
| 42 | 聖隷クリストファー (静岡) | 群雄割拠状態の静岡だが、 若干、 聖隷クリストファーが抜けている感じはある。 U-18候補・高部陸が150キロで48奪三振、 決勝も初回満塁弾+完投で決めてきた。 |
| 41 | 花咲徳栄 (埼玉) | 最近ちょっと元気がなかったが、 今年は頑張ってほしいところ。 埼玉住民のため当然応援しているが、 笹崎昌久の打率.680と黒川凌大の148キロならベスト8は現実的。 |
| 40 | 日南学園 (宮崎) | 二刀流が2人いる珍しい編成で、 特に2年生左腕・谷口銀次郎の防御率0.34は本物。 ベスト8くらいの実力はありそう。 |
39〜31点 : 上位進出が見えるグループ
| 点 | 学校 | 感想 |
|---|---|---|
| 39 | 智辯和歌山 (和歌山) | 監督が代わってからも相変わらず強豪なのはすごい。 U-18候補の捕手・山田凜虎が打率.533で、 エース和気匠太が本来の姿を取り戻せば一気に上がってくる。 |
| 38 | 関東第一 (東東京) | 常連なのもあって、 さすがに強い。 石井翔と150キロ・高橋友朔の二枚看板、 親子二代主将の井口瑛太が打率.609と、 下位まで切れ目がない。 |
| 37 | 明徳義塾 (高知) | 伝統の馬淵監督で、 超名門高校。 監督36年目で出場24回目、 今年は故障者が復帰して投手陣に厚みが出たのも大きい。 |
| 36 | 天理 (奈良) | いつもの強豪。 長尾亮大が県大会19回を無失点、 2年生・関村偉千陽が打率.588と、 出場31回目の看板に見合う戦力。 |
| 35 | 拓大紅陵 (千葉) | 実は実家に一番近い学校で、 当然応援している。 決勝でセンバツ4強・専大松戸を9回逆転3ランで倒した勢いなら、 ベスト16くらいまでは十分に狙えるはず。 |
| 34 | 青森山田 (青森) | 打撃チームなのでいい感じ。 二刀流・川久保昂直が打率.400、 稲見抱夢ら5割超えが複数いる打線は怖く、 上に上がってきてもおかしくない。 |
| 33 | 鳴門渦潮 (徳島) | 徳島4強の一角で、 基本的には打撃チームの伝統があるので期待できそう。 西村大輝が42回をほぼ一人で投げつつ打者としても働く二刀流なのも、 いかにも徳島らしい。 |
| 32 | 敦賀気比 (福井) | 福井県の出場校は少ないが、 いつもそれに見合わないくらい強い。 今年も2年生・辻琉成が146キロ左腕かつ打っても働く二刀流で、 センバツ優勝経験校の底力を感じる。 |
| 31 | 立命館宇治 (京都) | 最近平安が元気がなくて、 群雄割拠状態になってしまった京都。 その中では個人的に評価高めで、 188センチの中尾理佑を含む3人で回す継投型も好み。 |
30〜16点 : 中位グループ
| 点 | 学校 | 感想 |
|---|---|---|
| 30 | 三重 (三重) | たまに出てくるが、 出てきたときは強いイメージがある。 センバツで大阪桐蔭をタイブレークまで追い詰めた実績もあり、 古川稟久の149キロは公立で頭一つ抜けている。 |
| 29 | 高川学園 (山口) | 最近は強豪校といってもいい成績を残してる。 3季連続甲子園でエース木下瑛二は高卒プロ入りを公言と、 もう「たまに出てくる学校」 ではない。 |
| 28 | 英明 (香川) | 全体的に悪くない。 冨岡琥希の29奪三振に加え、 全国級と評される捕手・高田斗稀がいるので、 今回は期待できそう。 |
| 27 | 長崎日大 (長崎) | 選手権は久々だが、 今回はいい選手がそろってそう。 185センチの古賀友樹に高校通算11本の川鍋伶恩と、 16年ぶりでこの陣容なら期待できる。 |
| 26 | 高岡商 (富山) | なんだかんだで、 いつも出た時にはある程度勝っているイメージがある。 今年もノーシードから勝ち上がり、 決勝は9人全員安打と勢いは十分。 |
| 25 | 大分商 (大分) | バランスチームだが、 いつもはピッチャーがいいイメージがある。 今年も二刀流・平田玲翔が最速150キロで防御率1.02と、 やっぱり投手がいい。 |
| 24 | 霞ケ浦 (茨城) | いつも地味に強いイメージがある。 今年も稲山幸汰が147キロで防御率1.10・42奪三振と、 派手さはないが投手が計算できる。 |
| 23 | 佐野日大 (栃木) | 今年はそこそこいけそう。 鈴木有が30回を防御率0.60、 小林優太が打率.611と、 16年ぶりのわりに数字が整っている。 |
| 22 | 日本文理 (新潟) | 久々に出てきたが、 昔のイメージが残ってるのもあって頑張ってほしい。 2009年の9回2アウトからの猛追は今でも語り草で、 1年生右腕・浅井隼の決勝完投も面白い。 |
| 21 | 遊学館 (石川) | 意外と激戦区の石川を抜けたのは素晴らしい。 星稜が長く支配してきた県で11年ぶりの代表、 接戦の強さは甲子園でも効いてきそう。 |
| 20 | 東海大甲府 (山梨) | 村尾竜弦と2年生・籾山慶人で投手層が厚い。 トーナメントよりリーグ戦のほうが実力を発揮できそうな選手層だが、 二回戦以上は十分狙える。 |
| 19 | 東筑 (福岡) | 福岡県勢はどこが出ても安定している感じがある。 二刀流・深町光生の147キロと、 捕手・平山護の二塁送球1秒89は公立進学校らしからぬ武器。 |
| 18 | 岡山学芸館 (岡山) | 常連校と言ってもいい。 岡山は意外とどこが出てくるのかわからないが、 県大会3連覇の安定感でやはり今回も学芸館だった。 |
| 17 | 佐賀商 (佐賀) | 九州勢は公立でも強いのがポイント。 特に佐賀・長崎・大分あたりは公立でも十分に強く、 1994年の全国制覇校という看板も効いてくる。 |
| 16 | 松商学園 (長野) | 古豪で、 最近頑張ってるイメージがある。 出場39回目は今大会最多で漆戸大晟の打率.591もあるが、 抜けた武器はやや見えにくい。 |
15〜1点 : 下位・応援グループ
| 点 | 学校 | 感想 |
|---|---|---|
| 15 | 社 (兵庫) | 最速151キロの岩井秀耶は今大会最速級で、 防御率0.34は文句なし。 完全に一人で投げ抜いた形なので、 状態を保てるかが全て。 |
| 14 | 立正大淞南 (島根) | ちょっとエースが投げすぎててヤバイ。 川口元は5試合40回で防御率0.90と数字は立派だが、 サイド左腕1枚で連戦は相当きついだろう。 |
| 13 | 中京 (岐阜) | いつもは県岐阜商とか大垣日大が出てるので久々。 U-18候補・鈴木悠悟はいいが、 7年ぶりのブランクぶんは差し引いて見ておきたい。 |
| 12 | 享栄 (愛知) | 古豪で、 愛工大名電を倒しての31年ぶりは立派。 今回はバランスチームっぽいが、 上江瀧拓未の148キロを軸にどこまで戦えるかが見もの。 |
| 11 | 新田 (愛媛) | 済美が叩かれ始めてから一強が崩れた感じがする。 春の四国大会王者で打率.500が4人並ぶが、 その空白を埋めきるところまではまだ遠い。 |
| 10 | 八王子実践 (西東京) | 予選では日大三にも早実にも当たらなかった。 それでも決勝1-0の締まった試合はできているので、 本戦では頑張ってほしい。 |
| 9 | 八幡商 (滋賀) | 15年ぶりの伝統校復活は素直に嬉しい。 中村旺輔の打率.647は目を引くが、 投手中心の守りの野球で全国相手にどこまで守り切れるか。 |
| 8 | 東日大昌平 (福島) | 聖光が出れないとは思わなかった。 照沼佑崇の防御率0.67・28奪三振は本物で、 福島の勢力図が本当に変わったのかを見極める大会になりそう。 |
| 7 | 横手 (秋田) | 秋田あるあるで、 投手パワーで勝ち抜いたりするのが面白いところ。 佐藤宙斗が5試合34回を一人で投げ抜いた形なので、 連戦はさすがに厳しいだろう。 |
| 6 | 鶴岡東 (山形) | 盗塁を量産する機動力野球はハマれば怖い。 林仁滉の打率.526もあるが、 まずは目指せ一回戦抜け。 |
| 5 | 鳥取城北 (鳥取) | 鳥取の中では頭一つ分くらい強い。 ただ、 下浦一心が4試合29回を一人で投げており、 エースの酷使がかなり気になる。 |
| 4 | 札幌日大 (南北海道) | 北海道はいつも厳しめなので頑張ってほしい。 川合黎の打率.500・3本塁打は侮れないが、 トーナメント次第で二回戦くらいまでか。 |
| 3 | 有明 (熊本) | 初出場ながら粘り強そうなチーム。 準決勝は延長11回タイブレーク、 決勝は昨年敗れた東海大熊本星翔にリベンジと勝ち方が濃いので、 意外といけるかもしれない。 |
| 2 | 白樺学園 (北北海道) | クラーク記念国際に勝って上がったのはすごい。 北海道はいつも厳しめなので、 まずは目指せ一回戦抜け。 |
| 1 | 福山 (広島) | 予選は西東京と似た感じで、 強豪同士が食い合ってくれた形に見える。 創部52年目で初出場、 21年ぶりの公立決勝という物語は最高だが、 どこまでいけるかは正直読めない。 |
点数のつけ方について
点数を割り振っていて自分でも気づいたのが、 純粋な戦力評価だけでは並ばない ということ。
- 地元補正 … 花咲徳栄は埼玉住民として、 拓大紅陵は実家に一番近い学校として、 どちらも実力評価より上に置いている
- 好み補正 … 健大高崎を優勝候補グループに入れているのは、 あくまで個人的に応援しているから
- エース酷使の減点 … 鳥取城北・立正大淞南・横手あたりは、 地方大会で一人の投手が投げ抜いた形が目立つ。 数字はいいのに点数が伸びないのはここが理由
- 初出場の割引 … 福山・有明・東日大昌平・八王子実践の4校は、 甲子園という舞台の経験値ぶんを差し引いている。 特に福山と八王子実践は、 予選で強豪同士が食い合ってくれた組み合わせの助けもある
逆に言えば、 このあたりの補正が全部外れて実力どおりに進むと、 上位グループの点数がそのまま効いてくる。
今大会のトピックス
- 初出場は4校 … 東日大昌平 (福島)・八王子実践 (西東京)・福山 (広島)・有明 (熊本)。 このうち公立は福山のみ
- 公立は9校 … 横手・高岡商・八幡商・社・福山・鳴門渦潮・東筑・佐賀商・大分商
- 春夏連続は11校 … 花巻東・佐野日大・花咲徳栄・横浜・日本文理・三重・高川学園・英明・長崎日大・神村学園・沖縄尚学。 センバツ出場32校のうち21校が姿を消した計算
- 最長ブランクは横手 (秋田) の57年ぶり … 前回出場は1969年
- 最多出場は松商学園 (長野) の39回目。 次いで仙台育英32回、 天理31回、 智辯和歌山29回
- 連続出場の最長は花巻東・神村学園の4年連続
- 昨夏王者・沖縄尚学が連覇に挑戦。 達成すれば夏連覇は78年ぶり
- 福山 (広島) の決勝は21年ぶりの公立校対決 … 2005年の高陽東-三次以来
注目選手 (点数とは別枠で)
投手では 横浜・織田翔希 (157キロ) が頭ひとつ抜けている。 これに 兵庫・社の岩井秀耶 (151キロ)、 沖縄尚学・末吉良丞 (150キロ左腕)、 静岡・聖隷クリストファーの高部陸 (150キロ左腕)、 大分商・平田玲翔 (150キロ・二刀流) が続く。 U-18代表候補は高部・鈴木悠悟 (中京)・龍頭汰樹 (神村学園)・山田凜虎 (智辯和歌山) あたり。
打者の数字で目を引くのは、 鳥取城北・宮野快生の打率.917 (12打数11安打)、 花咲徳栄・笹崎昌久の.680、 神村学園・川崎怜央の.667、 八幡商・中村旺輔の.647。 通算本塁打では 花巻東・赤間史弥の31本、 同・古城大翔の25本。
二刀流が今年は妙に多く、 白樺学園・後藤健 (打率.571+147キロ)、 東筑・深町光生、 大分商・平田玲翔、 敦賀気比・辻琉成、 鳴門渦潮・西村大輝、 日南学園・田中皐晴と、 各地区に一人はいる。
データソース
- 代表校・出場回数: 日本高等学校野球連盟 第108回全国高等学校野球選手権大会、 ベースボールチャンネル
- 地方大会の成績・注目選手: ドラフト会議ホームページ、 高校野球ドットコム、 各県紙 (秋田魁新報・中国新聞・沖縄タイムス ほか)
- 点数と感想は個人の主観によるもの。 戦力の客観評価ではない